Software Process Dynamics
- 作者: Raymond J. Madachy
- 出版社/メーカー: Wiley-IEEE Press
- 発売日: 2007/10
- メディア: ハードカバー
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ということもあって、そろそろ勉強して充電する時期にしたいなぁと、金曜は社内勉強会に参加。テーマは「システムシンキング・システムダイナミックス」で、そこで紹介されたが、この「Software Process Dynamics」という本。思わずamazonでボタン押してしまった。8,888円ナリ。高い...。
システム思考は別段新しいものではなく、この本冒頭でも触れられてるが「ワインバーグのシステム思考法 ソフトウェア文化を創る〈1〉」とかは昔から有名で、既にこの頃から”ブルックスの法則”のモデル化が試みられていたりする。
ビジネス界隈だと最近?では「ラーニング・オーガニゼーション」で注目されたのが記憶に新しい。ソフトウェア界隈では、最近目にしたとこだと「デッドライン」の中で、アブドゥール・ジャミッド博士が、主人公の直感モデルをさっそうとシミュレートしてみせる場面が印象に残ってる。(※Abdel-Hamidのパロディだってことが今回よーやく分かった)
で、この本は、20年間におよぶMadachy氏の研究成果として、ソフトウェア開発プロセスにおける様々な”力学”を、システムダイナミックスによってモデル化してみせたものであり、米国amazonに載ってるヨードンの書評曰く、”2007年の最も良いソフトウェア工学の本だけではなく、もしかしてこの10年間の最も重要な本”らしい。
目次はこんな感じ。
[基礎]
1.イントロダクションと背景
2.システムダイナミックスによるプロセスのモデル化
3.ソフトウェアプロセスのためのモデル構造と振舞い
[適用と将来の方向]
4.人々への適用?(people applications)
(※燃え尽き症候群のモデル化とか、人の問題を扱う)
5.プロセスと製品への適用
(※再利用するときのモデルなど)
6.プロジェクトと組織への適用
(※アーンド・バリューなどに触れられてる)
7.現在、そして将来の方向
(※アジャイルとか最近のトレンドのモデル化?)
まだ全然読んでないけど、きっと、この本に”完璧な解”を期待しちゃいけないと思う。勉強会中の話題にも出たけど、こういうのは、モデル化して、シミュレートして、実際と照らし合わせてまたモデルを調整する、そのこと自体に価値があるんですよ、と。
4章とか特にそうだけど、いくら精緻にモデル化したって、”要員の疲労”、”モチベーション”、”スキル”、”コミュニケーション”といった要素のモデル化はどうしても恣意的になるだろうし。
「デッドライン」では、”モデルを作って…それで?”という疑問に対し、こう言っている。
「...画面上の直感を、腹の中の直感より優れたものにすればいい」
プロマネのKKD(勘、経験、度胸)では、もはや人を説得するのがむつかしい時代でありますしね。多少恣意的であろうとも、モデル化して、プロマネの考えを可視化することが大切なんじゃないかな、と。
でも、”よし!モデルを書くのじゃ”と思ってシステムシンキング用のメジャーなツール「STELLA/iThink」を買おうとしても...
http://www.varsitywave.co.jp/products/stella/price.html
260,400円だって。さすがに手が出せませんorz