ザ・ゴール
- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/05/18
- メディア: ペーパーバック
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ということで、長年積ん読してた『ザ・ゴール』を土日で読破。発行年を見ると、実に4年も在庫として眠っていたようだ。
すぐさま仕事に活かせるとか、そーいうものではなさそう。ソフトウェアプロジェクトに適用できるのはたぶん『クリティカルチェーン』のほうか。とりあえず現時点での疑問とか感想とか。
- 製造と開発の違い。TOCはソフトウェア工場には適用できそうだけど、そもそもソフトウェア開発の工場化自体が賛否両論だ。そういえば、デマルコは反対なんだか、賛成なんだかよく分からん。
- ソフトウェア会社はソフトウェア工場?どっちかというとソフトウェア会社は、プロジェクト工場じゃないのか。そうすっと、今は非稼動の俺のような人間は在庫?
- ソフトウェア会社やソフトウェアプロジェクトの制約条件は何か。会社は、やっぱ人?自社製パッケージの有無かもしれん。プロジェクトは、うーん、要件定義?いや、それこそプロジェクト固有だろう。
- プロジェクトのボトルネックを改善する仕組みこそ反復型プロセスか。でも、ボトルネックを見つけ、改善するチャンスはそう多くない。前回PJは4回だけだった。だいたい、統一プロセス(United Process)的な反復だと、たとえ製造が改善されても、後の反復ではテストのほうが比重が大きかったりするぞ。
- ボトルネックの評価基準は何か。QCD?EV?あれ?そもそもEVってROIに関係ある?高コストなエンジニアがくそったれな要件定義書を100頁作ったからといって、それは出来高なのか?
- そもそも『ザ・ゴール』の工作機械のように”あれこそボトルネック!”と、指差せるタスクはソフトウェア開発には少ないような。まずはバリューストリームの見える化が先じゃないか。
- 『リーンソフトウェア開発』にソフトウェアの会計基準の話があったような、なかったような…。TOCの話もあったような。確かめないと。
- 会社の話に戻ろう。在庫(非稼動要員)がなかったら、プロジェクトは組めない。だからといって外部調達を強化するの?会社のゴールが利益だけならそうだろう。けど、会社のゴールには社会貢献ってのもあるはず。多重請負構造に加担するのはいかがなものか。
- バッファマネージメントは『クリティカルチェーン』を読んでから考える。ところで、開発者は”過大見積り”し、”学生症候群”に陥るという前提は本当か。少なくとも前回PJにそんなやつはいなかったけどなー。早期完了のときも正直に報告してくれるマジメなメンバーなんだが。
- 積ん読の在庫はどーにかならんものか。
- ウチの妻がジェリーのようにならない保証はない。「あなたの仕事は、いつもきつい仕事ばかりなのね。いつもよ。そんな仕事しかさせてもらえないあなたに、会社はどうして昇進させたり給料を上げたりするの」
…とにかく『ザ・ゴール』は、あの分厚い本を読む時間より、考えさせられる時間の心配をしたほうがよい。