人間回復の経済学
- 作者: 神野直彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/05/20
- メディア: 新書
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”官から民へ、小さな政府”。
新自由主義を極端に推し進める、現在の俗流経済学を基にした構造改革に対し、
財政社会学の観点から警告を鳴らしているのが主旨です(たぶん)。
実は僕が大学4年生のときのゼミのテーマは、古典経済学の祖アダムスミスなのでした。
本書を読んで久々に思い出しましたが、確かにアダムスミスは経済人仮説を唱えたわけですが、
その後、アダムスミスの思想が財政学への流れにも繋がったように、
すべてを市場の判断に任せよう、なんて言っていたわけではありません。
例えば、市場に任せてはいけないものに、教育のことも挙げていたと記憶しています。
本書でわが意を得たり、と思ったのは、
辞書をひもとけば、誰でもわかるように、「民」には市場あるいは市場経済というよう「人間」以外の意味はない。民とは統治される者という意味である。民を市場あるいは市場経済と結びつけるのは、詭弁以外の何物でもない。
というくだり。過去の日記で同じことを書いてましたから、これ見たときはうれしかったですね。
2/13人間の安全保障
スウェーデンの政策を過剰に褒めてるとこに?と思うところはありましたが、
”経済システムのための人間”ではなく”人間のための経済システム”であるべき、
という本書の主張に激しく同意なのであります。