逆システム学
- 作者: 金子勝,児玉龍彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/01/20
- メディア: 新書
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従来の要素還元論や全体論で解き明かす方法論の限界を突破するため、
経済学と生物学、全く異なるものを研究対象とする学問の世界で、
図らずも一致した、次なる方法論を模索する一冊。
って、ソフトウェアの分野では、昔からワインバーグなどがシステム思考
(今はシステム・シンキングと言ったほうが通りが良い?)を紹介し、
フィードバックの重要性、というかソフトウェア開発においては、
本質的にダイナミズムの存在を避けられない、と説いてましたがね。
還元論や全体論の否定に関しては、ソフトウェアの世界では、
段階的詳細化やウォーターフォールのやり方や、過剰なアーキテクチャ先行型
への反動から、アジャイルな手法が生まれたことにも似てる気がします。
- 制度の束と多重フィードバック
- 変化と進化における多様性と適応
なんて、まさにアジャイルの考え方ですもんね。
- 経済
- 生物
- ソフトウェア
この3つに共通するものは、”取り扱う対象の複雑さ”であるわけですが、
同じような問題にぶつかり、同じような解決策を編み出したというのは、
意外でも何でもなく、必然だったということでしょうか。
是非とも今度は、3者まみえての、次なる方法論の展開が見てみたいものです。