新・ソフトウェア開発の神話

新・ソフトウェア開発の神話 成功するプロジェクトチームの科学と文化 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の課題 11)

新・ソフトウェア開発の神話 成功するプロジェクトチームの科学と文化 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の課題 11)

会社の上役が翻訳した本。
間接的に別の上司が査読中のものをチラと見せてもらってたので、楽しみしてたがようやく出版。
まだ半分くらいしか読んでないけど、「第9章トレードオフ」が非常に面白い。


要約すると、プロジェクトというものは、

  • 以下の辺で構成される4角形の底辺を持ち、
    • スピード(例えばFP/月)
    • スコープ(例えばFP)
    • 節約(例えばリソースの逆数)
    • 品質(例えば許容欠陥数の逆数)
  • 高さに成功の確率を持つようなピラミッドのようなもので、
  • なおかつ、体積は一定である

ようなモデルで表されるのではないか、という考察をしている。


さらにこの「プロジェクトピラミッド」の面積を決定するのはチームの能力とリスクだ。

  • 能力がより高い=「人材」がより優れる=体積がより大きい
  • 未知のことがより多い=リスクがより高い=体積がより小さい


このモデルを実際のデータで検証するのは難しいと著者は言ってるが、
個人的には非常に納得感のあるモデルであると思う。
ついては「人月の神話」のように、ソフトウェア開発に携わる者の”常識”になって欲しいなぁと願う。
(…特に御無体なお客様には分かってほしい…)


著者のマラスコ氏は10月に来日して、社内で講演してくれるらしい。
けど、業務都合で行けそうもなく、非常に残念。
Software Process Dynamicsについてどう思うか聞いてみたかったな。